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予防接種

ワクチンには、任意接種と定期接種がありますが、いずれのVPD(ワクチンで防げる病気)も、ワクチン接種で予防することが大切です。
年代やライフスタイルに応じてワクチンを受けましょう。
接種費用の助成制度については、お住いの自治体にお問い合わせください。

浦安ツバメクリニックで接種可能なワクチン

当院で行っている予防接種は以下の通りです。主に成人の方を対象にしておりますが、インフルエンザワクチンと子宮頸がん予防(HPV)ワクチンについては、13歳(中学生)以上の方への接種も可能です。

*ここに挙げた予防接種はすべてご予約が必要です。WEB予約で受付いたしますが、事前に当院より予約確認のお電話をさせていただきます(お電話での確認が取れ次第、予約確定となりますので、ご了承ください)。
*接種にあたりワクチンのお取り寄せが必要になることから、インフルエンザワクチン以外のワクチンに関しては接種当日7日前までにご来院の上、あらかじめ接種費用をお支払いいただいております(お手持ちのクレジットカードが登録されたデジスマアプリを利用されている方は、デジスマ払いでのお支払いをお選びいただけます。その場合、事前のご来院は不要です)。(接種費用をお支払いいただいてからのワクチン発注となります)

季節性インフルエンザワクチンについて

予防接種(インフルエンザワクチン以外)の予約はこちら

ワクチンの種類 料金(すべて税込)
MR(麻疹・風疹混合)ワクチン 8,800円
ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン 6,600円
水痘(みずぼうそう)ワクチン 8,250円
日本脳炎ワクチン 8,800円
A型肝炎ワクチン 7,700円
B型肝炎ワクチン 5,500円
季節性インフルエンザワクチン 4,000円(毎年改定)
季節性インフルエンザワクチン(チメロサールフリー) 5,000円(毎年改定)
破傷風トキソイド 3,300円
帯状疱疹ワクチン(シングリックス®) 22,000円
肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス®) 7,700円
肺炎球菌ワクチン(プレベナー®) 13,200円
子宮頸がん予防(HPV)4価ワクチン(ガーダシル®) 16,500円
子宮頸がん予防(HPV)9価ワクチン(シルガード®9) 27,500円

接種にあたっての注意事項

10代からの予防接種ワクチンスケジュール

VPD 10代 20代 30代 40代 50代 60代~
子宮頸がん、HPV感染症 2~3回                  
麻しん(はしか) 2回    
風しん 2回    
水痘(みずぼうそう) 2回        
おたふくかぜ 2回        
B型肝炎 3回
インフルエンザ 毎年秋に1回(12歳以下は、原則として毎年2回)
日本脳炎 3回
破傷風 10年ごとに1回(小児期に未接種の人は3回)
帯状疱疹                 2回または1回
高齢者の肺炎球菌感染症                       1回
新型コロナウイルス感染症 3回以上(必要に応じて追加接種)

40代からの予防接種ワクチンスケジュール

予防接種を受けた後の一般的注意

  • 予防接種を受けた後30分間程度は、医療機関で経過を観察するか、医師とすぐに連絡をとれるようにしておきましょう。急な副反応がこの間に起こることがまれにあります。
  • 接種後、生ワクチン(MR、おたふくかぜ、水痘)では4週間、不活化ワクチン(日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎)では1週間は副反応の出現に注意しましょう。
  • 接種部位は清潔に保ちましょう。入浴は差し支えありませんが、接種部位をこすることはやめましょう。
  • 当日は、はげしい運動は避けましょう。
  • 接種後、接種部位の異常な反応や体調の変化があった場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。

予防接種の間隔

予防接種から次の別の種類の予防接種までの接種間隔は、「生ワクチンなら4週間(中27日)」「不活化ワクチンなら1週間(中6日)」です。生ワクチンと不活化ワクチンを受ける場合、不活化ワクチンを先に受ければ、1週間後に生ワクチンが受けられます。生ワクチンを先に受けると、4週間後までは不活化ワクチンを接種できないことになります。

麻疹(はしか)

麻疹ウイルスが原因で起こる感染症で、感染力が非常に強く、発症すると風邪のような症状と発疹が起こります。
一度感染すると免疫がつき、二度と発症することはありません。
麻疹ウイルスは定期接種の対象になっているので乳幼児は麻疹の発症を予防することができますが、大人の中には麻疹のワクチンを接種していなかったり、摂取回数が不十分で免疫のできていない方がいます。
そのため、成人の間で流行が起こることがあります。
妊娠中、麻疹にかかると流産や早産のおそれがあります。

咳やくしゃみで空気感染をするため感染力が非常に強く、マスクや手洗いでは感染を防げません。
予防接種がもっとも有効な予防法と言えるでしょう。

麻疹ワクチンは1回の接種では免疫がつきにくく、2回接種することになっています。
現在では2回の定期接種となった麻疹の予防接種ですが、それは2006年度からのことで、それ以前は、任意接種だったり1回接種だったりと、生まれた年代によって、接種の状況が異なります。
現在では、2歳以上の年齢の95%以上の人は、麻疹の抗体を保有しているとされていますが、予防接種をしているかわからないという場合は、自分の生まれた年をチェックして、予防接種を受けることを検討してみましょう。

生まれ年からわかるワクチン接種目安

平成2年(1990年)4月2日以降に生まれた方

予定通りに受けていれば2回、麻疹のワクチン定期接種を受けており、十分な抗体を持っています。
基本的には予防接種は不要です。
*定期接種は強制ではないため、必ず受けているとは限りません。
なんらかの理由で受けていない場合もあるため注意しましょう。

昭和53年(1978年)から平成2年(1990年)4月1日生まれの方

予定通りに受けていれば1回は麻疹のワクチン定期接種を受けているはずです。
→麻疹にかかったことがないか、2回目の接種が確認できなければ、追加接種が必要です。

昭和53年(1978年)以前に生まれた方

この年以前に生まれた多くの人は定期接種でワクチンを接種する機会はありませんでした。
しかし、過去に自然感染して発症したか、気付かない程度の軽症を経験し、すでに免疫を持っている人が多数です。
→確実に感染したことがわかっているか、2回接種したことを確認できれば接種不要ですが、それ以外は予防接種をしましょう。

予防接種のスケジュール

2回接種を受ける方は1回目の接種から4週間以上の間隔をあけて2回目の接種を受けてください。
妊娠中は接種できません。
また接種を受けたら2ヶ月間は避妊する必要があります。

予防接種の費用

MRワクチン(風疹ワクチンと混合) 8,800円(税込)

予防接種を特に受けておきたい人

  • 多数の人に接触する職業の人
  • これから妊娠の可能性がある人

緊急接種

麻疹の患者さんに接触した場合、72時間以内に麻疹ワクチンの接種をすることで発症が抑えられると考えられています。

MRワクチンの副反応

発熱・発疹・リンパ節腫脹・関節痛が見られることがあります。

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風疹

風疹は、風疹ウイルスが原因で起こる感染症です。
三日はしかとも呼ばれますが、麻疹(はしか)とは別ものです。
発症すると風邪のような症状と発疹が出ます。
近年は大人の間に流行している病気で、大人は重症化しやすく、妊娠初期の女性がかかると胎児に悪影響を及ぼすため予防したい病気です。

予防接種のスケジュール

接種は2回必要です。
麻疹の接種も必要な人はMRワクチンの接種がおすすめです。

予防接種の費用

成人を対象に費用の一部を補助している自治体もあります。

MRワクチン(麻疹ワクチンと混合) 8,800円(税込)

予防接種を特に受けておきたい人

  • 子供の頃、定期接種を受けていない人
  • 風疹にかかったことのない人
  • 今後、妊娠の予定のある人
  • 家族に妊娠の予定がある女性のいる男性

大人の方、とくに妊娠前の女性は風疹の抗体検査を受け、抗体ができているかどうか確認し、抗体ができていなければ予防接種を受けると良いと思われます。
抗体検査は自治体が無料で実施していることもあります。

MRワクチンの副反応

発熱・発疹・リンパ節腫脹・関節痛が見られることがあります。

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おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

おたふくかぜは、ムンプスウイルスが原因で起こる感染症です。
耳の下が腫れて痛みます。
一度かかって免疫ができると二度とかかることはありません。
幼稚園や学校などで流行を起こし、子供のうちに済ませることが多いですが、思春期以降にかかると重症化しやすく、男性は合併症の睾丸炎に注意が必要です。
おたふくかぜは不顕性感染と言ってウイルスに感染しても症状が出ないで抗体のみ獲得することが多くみられます。
そのため、本当にかかったことがないかは抗体検査をしないとわかりません。

予防接種のスケジュール

おたふくかぜを経験していない人は、ムンプスウイルスのワクチンを1回接種します。
抗体がある人にワクチンを接種しても問題となる副反応を生じることはないと考えられており、不顕性感染の人でもかかったことがないものとしてワクチン接種をしても問題ありません。

予防接種の費用

成人を対象に費用の一部を補助している自治体もあります。

ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン 6,600円

予防接種を特に受けておきたい人

  • 小学校に上がるまでにおたふくかぜにかからなかった人
  • おたふくかぜにかかったことのない男性(強く推奨)

大人の方、とくに妊娠前の女性は風疹の抗体検査を受け、抗体ができているかどうか確認し、抗体ができていなければ予防接種を受けると良いと思われます。
抗体検査は自治体が無料で実施していることもあります。

副反応

接種後2~3週後に一過性の耳下腺腫脹が生じることがあります。
軽いおたふくかぜのようなものですが周囲にうつることはありません。

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水痘(みずぼうそう)

水痘(みずぼうそう)は、水痘帯状疱疹ウイルスが原因で起こる感染症です。
感染力が非常に強く、発症すると全身と口腔内に水疱が出て発熱が起こります。
90%以上の人が子供のうちに自然感染しています。
感染しても無症状のことも多いのですが、大人になってから初感染すると重症化しやすいのが特徴です。

一度感染すると一生体の中に棲み続けるウイルスで、免疫力が低下した時に「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」を引き起こすこともあります。

予防接種のスケジュール

1回の接種で水痘の重症化が予防でき、2回の接種で軽い水痘の発症も予防できます。
2回目の接種は1回目の3ヶ月後以降に受けます。
ちなみに平成26年10月からは定期接種となり、2回接種することが薦められています。

予防接種の費用

水痘(みずぼうそう)ワクチン 8,250円

緊急接種

水痘の患者さんに接触した場合、72時間以内に水痘ワクチンの接種をすることで発症を90%、120時間以内であれば70%抑えられると考えられています。

副反応

ほとんどありません。

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日本脳炎

感染したブタから蚊が運んできて感染し、脳炎を起こす病気です。ヒトからヒトへはうつりません。
感染したすべての人が発症するわけではなく、約300~1000人に1人の割合で急性脳炎を発症します。
脳炎になると高熱、意識障害がでます。
治療が難しく、約3分の1が死亡し、3分の1は重い後遺症を残します。
日本脳炎の発症者数は、毎年10名程度ですが、感染者数はその数百倍いると言われています。
日本脳炎は重大な病気でありワクチンでしか防ぐ予防法はありません。
WHO(世界保健機構)も接種を強く勧めています。

わが国では患者の発生は少なくなりましたが、アジア、とくにモンスーンアジア地域では現在でも常在性の疾患であり、しばしば大流行がみられます。
常在地に出かける場合、ことに長期にわたる場合には接種を受けておくことをお勧めします。

予防接種のスケジュール

基礎免疫を受けている人は1回追加接種を受けて下さい。
また、1回もワクチン接種を受けていない人は基礎免疫からの接種が必要です。

予防接種の費用

日本脳炎ワクチン 8,800円

予防接種を特に受けておきたい人

  • 日本脳炎の流行地域(中国、東南アジア、ロシアなど)に渡航・長期滞在する人

副反応

全身倦怠感、局所の疼痛・発赤、頭痛、など。
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の発症が有名ですが、0.33-0.64%と発症はごく稀です。

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A型肝炎

A型肝炎はA型肝炎ウイルス(HAV)感染による疾患です。
一過性の急性肝炎が主症状であり、治癒後に強い免疫が残ります。
HAVは糞便中に排泄され、糞口感染で伝播するため、 患者の発生は衛生環境に影響されやすい特徴があります。
A型肝炎は発展途上国では蔓延していますが、先進国では上下水道などの整備により感染者は激減しております。
しかし、HAV感染の少ない状態が長期間継続すると抗体陰性者が増加することが知られており、わが国では50歳以下での抗体陽性者は極めて少ないとされます。
最近の日本のA型肝炎では乳幼児、学童の患者はほとんど見られず、患者の高年齢化が顕著です。
また、大規模な集団発生はみられませんが、飲食店を介した感染や、海外渡航者の感染がみられます。

予防接種のスケジュール

国産ワクチンは2回接種後2週間程度で免疫がつくため、海外渡航の際は出発1~2か月前までに受診し、接種を開始するのが理想的です。
海外渡航までに時間がない場合は、2週間あけて2回目の接種を行うことも可能です。
なお、接種間隔があいてしまっても、最初からやり直す必要はなく、不足分の接種を行うことで免疫獲得が可能です。

予防接種の費用

A型肝炎ワクチン 7,700円

予防接種を特に受けておきたい人

  • 基礎疾患に慢性の肝障害がある方(B/C型肝炎・肝硬変など)や高齢の方
  • A型肝炎が流行している国(主に発展途上国)へ旅行される方
  • MSM(men who have sex with men)の方

副反応

ワクチン接種による一般的な副反応以外に、特別な副反応の報告はありません。

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B型肝炎

B型肝炎は、B型肝炎ウイルスが原因で起こる感染症です。
血液から感染し、母子感染・注射事故・性行為・刺青などから感染する可能性があります。
風邪に似た症状と肝機能低下が起こり、劇症になると命に関わる場合もあります。
またA型肝炎同様に肝硬変・肝臓癌に進む可能性があります。
先進国の中にはワクチン接種を義務づけている国もあります。

予防接種のスケジュール

3回の接種が必要です。大人が受ける場合は4週間後に2回目、4~5ヶ月後に3回目の接種を受けます。
抗体のつきにくい人もいるため、接種終了1か月後に抗体を測定し、抗体のつきが悪い場合は1か月後に再接種することが望ましいとされています。

予防接種の費用

B型肝炎ワクチン 5,500円

予防接種を特に受けておきたい人

  • B型肝炎ウイルスのキャリア
  • キャリアの家族
  • 医療従事者
  • 血液透析を受けておられる方
  • 海外渡航される方

副反応

ほとんどありません。

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インフルエンザワクチン

ワクチン有効率はシーズンによって変動があるものの、年齢別有効率は小児(20 歳未満)で 43〜69%、成人(20〜64 歳)で 35〜74%、高齢者(60 歳超)で 24〜63%という報告(Belongia EA, et al. Variable influenza vaccine effectiveness by subtype: a systematic review and meta-analysis of test-negative design studies. Lancet Infect Dis 2016; 16: 942-51. PMID: 27061888)があります。

また、ワクチン接種により、18~49歳(aOR 0.21)、50~64歳(aOR 0.48)、65 歳以上(aOR 0.39)と、各世代の院内死亡オッズの減少に関連していたとする報告(Arriola C, et al. Influenza Vaccination Modifies Disease Severity Among Community-dwelling Adults Hospitalized With Influenza. Clin Infect Dis 2017; 65: 1289-1297. PMID: 28525597)もあります。

そして、ワクチン接種が、インフルエンザに関連する肺炎発症のリスクを低減したという報告(Grijalva CG, et al. Association Between Hospitalization With Community-Acquired Laboratory-Confirmed Influenza Pneumonia and Prior Receipt of Influenza Vaccination. JAMA 2015; 314: 1488-97. PMID: 26436611)があります。

インフルエンザ予防接種のスケジュール

13歳未満 2回接種
13歳以上 1回接種もしくは2回接種

接種してから効果が出始めるまでに2週間かかります。
インフルエンザが流行する12月~3月頃から逆算して12月中旬までには接種を受けておくのがおすすめです。
流行するウイルスの型が毎年変わること、ワクチンの効果は4~5ヶ月経つと薄れていくことから、1年後には改めて接種を受ける必要もあります。

インフルエンザ予防接種の費用

季節性インフルエンザワクチン 4,000円(毎年改定)
季節性インフルエンザワクチン(チメロサールフリー) 5,000円(毎年改定)

原則として全額自己負担です。
*ただし、定期接種対象者(65歳以上の人、特定の疾病がある60~64歳の人)は、公的扶助が受けられます。
*浦安市や市川市在住の方で、子どもインフルエンザ予防接種助成対象の方は費用の一部補助が受けられます。

インフルエンザ予防接種を特に受けておきたい人

基本的に全ての人が受けておくと安心なワクチンですが、次のような方は特に受けておきたいです。

  • 多数の人と接触する職業の方
  • 受験生の方
  • 持病を持っていてインフルエンザにかかると重症化する恐れのある方

1回接種と2回接種

13歳以上の方は、1回接種を原則としています。

ワクチンの添付文書には「13歳以上のものは1回または2回注射」と記載されていますが、健康な成人の方や基礎疾患(慢性疾患)のある方を対象に行われた研究から、インフルエンザワクチン 0.5 mLの1回接種で、2回接種と同等の抗体価の上昇が得られたとの報告(平成28年度 厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業「ワクチンの有効性・安全性評価とVPD(vaccine preventable diseases)対策への適用に関する分析疫学研究(研究代表者:廣田良夫(保健医療経営大学))があるためです。

諸外国の状況について、世界保健機関(WHO)は、インフルエンザワクチン(不活化ワクチンに限る)の用法において、9歳以上の小児及び健康成人に対しては「1回注射」が適切である旨、見解を示しています。
また、米国予防接種諮問委員会(US-ACIP)も、9歳以上(「月齢6ヶ月から8歳の小児」以外)の者は「1回注射」とする旨を示しています。

医師の判断等により、成人の方が2回接種する場合は、4週間あいだをあけて接種することをお勧めします。

副反応

局所の紅斑・熱感・腫脹・疼痛・かゆみ、鼻漏、倦怠感、頭痛、など。
稀なものとして、肝機能障害・黄疸、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、けいれん、喘息発作、ギランバレー症候群があります。

チメロサールフリーのインフルエンザワクチンについて

一般の予防注射(不活化ワクチン)には細菌汚染を防ぐためチメロサールと呼ばれる防腐剤(有機水銀)が含まれています。
近年、有機水銀の体内蓄積と副作用が懸念されています。
また、チメロサールを含まないインフルエンザワクチン(チメロサールフリーワクチン)はアレルギー反応のリスクは少ないとされ、注射時の痛みや腫れも軽減される可能性が示唆されています。

当院ではオプションとしてチメロサールフリーのインフルエンザワクチンをご用意しております。
このチメロサールフリーワクチンはワクチンを完全に無菌状態に保つ為、ワクチンを一人分ずつ注射器につめて製造されています。
その為、製造効率が悪く生産量が少ないのが現実です。
ワクチンの予防接種は、先着順となっておりますのでお早めにご相談、ご予約ください。

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破傷風

破傷風は破傷風菌(Clostridium tetani)が産生する毒素によって起きる感染症で、重症例では呼吸筋麻痺により窒息死します。
国内での報告患者数は1990年以降年間数十人と多くありませんが致死率が高く(20~50%)、世界的には新生児感染症ですが日本ではほとんど成人、特に中高齢者に発症します。
破傷風菌は土中に存在し、創傷部位より体内に侵入し感染します。
基本的には汚染創が契機となりますが、汚染がひどくない創から感染することもあります。

WHOや米疾病管理予防センター(CDC)では、破傷風トキソイドを成人が定期的に接種すべき予防接種の一つに挙げています。
つまり外傷があろうがなかろうが、定期的に接種することが望ましいとされています。
そして全ての創傷において破傷風発症のリスクを考慮しなければならないとされています。

症状

破傷風菌は強烈な神経毒を作り出します。
傷口の神経末端から入り、最終的には脳へ回ります。
最初は傷口付近がこわばる感じや倦怠感があります。
その後、全身にまわり始めると口が開かない、物が飲み込みにくい、手足の硬直、さらには全身のけいれんがはじまります。
死に至らなかったとしても手足の硬直が消えるまでは2ヶ月ほどかかります。

治療

いったん発症した場合、治療は困難です。
予防と、早期診断・早期治療が重要で、気が付いたらすぐに傷口をカットして広げて空気にさらし(破傷風菌は空気にとても弱いのです)、水でよく洗って毒素を少しでも取り除きます。
抗生物質の投与、抗毒素の投与はとても早ければある程度の効果はありますが、こわばりが出始めるぐらいまでに投与しないと意味がありません。
けいれんに対する治療や気管切開などによる呼吸管理も必要となってきます。

予防

破傷風のワクチンはトキソイドといって、無毒化した破傷風毒です。
日本できちんと定期予防接種を受けている場合は、乳幼児期に基礎免疫をつけ、さらに11~12歳頃に1回接種し追加免疫を獲得しています。
抗体は約10年で効果が低下するため、その後は10年ごとの追加接種が望ましいとされています。
しかしながら、1968年以前は、破傷風は定期接種項目に含まれておらず、実際に破傷風抗体保有率の調査では1968年以後に生まれた人の抗体保有率が90%以上であるのに対し、1968年以前に生まれた人は30%以下と劇的に低下しています。
破傷風患者が中高年に多いのは、このためでもあります。

海外渡航の有無に関わらず、20歳を過ぎたら予防接種を受けた方がよいと思われますが、海外への渡航や勤務の予定がある方は渡航前にぜひ受けることをお勧めします。
また、土木作業員や工場勤務、動物を扱う職種、野外活動の機会が多いバイク愛好者など、創傷が生じる可能性の高い人にもお勧めします。

予防接種スケジュール

20代前半位までは免疫がありますので、接種は不要です。
20~40歳台で、子供のころにDPTワクチンを含めた破傷風のワクチンを接種したことがある方は1回の接種でOKです。
50歳以上の方や破傷風やDPTワクチン接種の既往(記憶も)がない方は、計2回+追加投与(3回目)の接種が必要です。
2回目の接種は初回から4~8週あけて行います。
3回目は初回接種から6~18ヶ月の間に接種を行います。
以降は10年毎に接種することにより十分な免疫力を保持することができます。
海外に行かれる方は、3回目の接種は渡航に間に合わないと思われますが、2回の接種でもある程度の免疫力がつき、3~4年は持ちます。
3回目の追加投与を行うとさらに強固な免疫力を得ることができ、30年ほど免疫力が続きます
帰国後もしくは現地にて受けることをお勧めします。
免疫は比較的早く獲得され、2回目接種後4~5日ほどで効果がでます。
まとめると下の表のようになります。

予防接種スケジュール

副反応

主な副反応としては、発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、下痢、めまい、関節痛、注射部位の発赤、腫脹、痛みなどがあります。

費用

破傷風トキソイド 3,300円

外傷受傷後の発症予防

国内で問題になるのは、外傷を受けた場合です。外傷を受けたときの状況によって対応が変わってきます。
実際に推奨されている創傷の破傷風対策を示します。

破傷風トキソイドは、最終接種から10年以内は破傷風を予防する効果が保持されますが、汚染創が生じた場合は抗体を破傷風治療可能レベルまで上げる必要があるため、最終接種より5年以内というのを指標としています。
ただし、清潔な傷に対して破傷風の予防目的で接種する破傷風トキソイドは現在日本では場合によって保険外診療、つまり全額自己負担となることもあります。
清潔な傷と汚染創の違いは以下のようにまとめられています。

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帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスで起こる皮膚の病気です。
体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う赤い発疹と水ぶくれが多数集まって帯状に生じます。
症状の多くは上半身に現れ、顔面、特に目の周りにも現れることがあります。

通常、皮膚症状に先行して痛みが生じます。その後皮膚症状が現れると、ピリピリと刺すような痛みとなり、夜も眠れないほど激しい場合があります。
多くの場合、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、神経の損傷によってその後も痛みが続くことがあり、これは「帯状疱疹後神経痛(PHN)ピーエイチエヌ」と呼ばれ、最も頻度の高い合併症です。
また、帯状疱疹が現れる部位によって、角膜炎、顔面神経麻痺、難聴などの合併症を引き起こすことがあります。経過や痛みの程度には個人差があります。

加齢などによる免疫機能の低下が発症の原因となることがあります。
50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。

疲労やストレスなども発症のきっかけになります。
また、糖尿病やがんなどの免疫機能が低下する病気が原因になることもあります。

帯状疱疹発症のメカニズム

日本人成人の90%以上は、帯状疱疹の原因となるウイルスが体内に潜伏している

帯状疱疹は、多くの人が子どものときに感染する水ぼうそうのウイルスが原因で起こります。
水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内(神経節)に潜伏していて、過労やストレスなどで免疫機能が低下すると、ウイルスが再び活性化して、帯状疱疹を発症します。
発症すると、皮膚の症状だけでなく、神経にも炎症を起こし、痛みが現れます。
神経の損傷がひどいと、皮膚の症状が治った後も、痛みが続くことがあります。

日本人成人の90%以上は、このウイルスが体内に潜伏していて、帯状疱疹を発症する可能性があります。

帯状疱疹後神経痛(PHN)

50歳以上で帯状疱疹を発症した人のうち、約2割は3か月以上痛みが続く

神経が損傷されることで、皮膚の症状が治った後も痛みが残ることがあり、3か月以上痛みが続くものを帯状疱疹後神経痛(PHN)ピーエイチエヌと呼びます。
PHNは、「焼けるような」「締め付けるような」持続性の痛みや、「ズキンズキンとする」痛みが特徴です。

PHNになりやすい因子として、年齢(高齢者に多い)、痛みが強い、皮膚症状が重症である、などがあります。
50歳以上で帯状疱疹を発症した人のうち、約2割がPHNになるといわれています。

帯状疱疹ワクチンの特徴と効果

50歳以上の人は、帯状疱疹の予防接種を受けることができます。
実は、日本人成人の90%以上は、帯状疱疹の原因となるウイルスが体内に潜伏することによってできる「抗体」を有しています。
これは、多くの人が子どもの時に感染する水ぼうそうが、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によるもので、感染したウイルスは、水ぼうそうが治った後も、症状を出さない状態で体内に潜み続けています。
このように、子どもの時に水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した人は、このウイルスに対する免疫を持っていますが、獲得した免疫は年齢とともに弱まり、帯状疱疹を発症することが多くなる傾向があります。
また、一度帯状疱疹になった人でも、体の免疫機能が低下すると再びなる可能性があります。

帯状疱疹ワクチンであるシングリックス®の2回接種の効果については、臨床試験において、帯状疱疹の発症予防は50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%と高い有効性を認めました。
帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症予防についても、50歳以上で100%、70歳以上で85.5%の減少率を認めました。
シングリックス®︎の有効性については追跡調査が行われていますが、2022年10月に、ワクチン接種後少なくとも10年間は予防効果が持続することが確認されています。

接種対象者

  • 50歳以上の人
  • 帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の人

ワクチン接種のスケジュール

1回目と2回目の間隔:2か月

接種間隔が2か月を超えた場合、6か月後までに2回目を接種します。

2023年6月に適応が拡大になり、帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の人も接種対象となりました。
以下のような状態の人を指します。
・疾病または治療により免疫不全である人、免疫機能が低下した人または免疫機能が低下する可能性がある人
・上記以外で、医師が本剤の接種を必要と認めた人
また、このような状態にあり、ワクチン接種スケジュールを短縮することによりベネフィットが得られる場合には、1回目の接種から2回目の接種まで間隔を1か月まで短縮することができます。

副反応

他のワクチンに比較して局所性副反応の頻度は高いですが、いずれも3日前後で消失することが分かっています

任意予防接種の費用

帯状疱疹ワクチン(シングリックス®) 22,000円

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肺炎球菌ワクチン

肺炎は、細菌やウイルスなどの病原微生物が感染して、肺に炎症を起こす病気です。
平成26年の厚生労働省の統計によると、わが国における肺炎による死亡数は、悪性新生物、心疾患に続く第3位となっています。
なかでも肺炎球菌が原因菌の約1/4を占めます。しかも、亡くなる方の約95%が、65歳以上の方です。

肺炎の原因となる細菌やウイルスは人のからだや日常生活の場に存在しています。
からだの抵抗力(免疫力)が弱まったときなどに感染を起こしやすく、普段、元気に暮らしている方でも、持病の悪化や、体調不良などをきっかけに、感染する可能性のある病気なのです。
いったん発生した肺炎の治療は簡単ではありません。
なので、大切なのは、肺炎にならないこと。
つまり、予防が大切なのです。
予防する方法としては外出後の手洗いやうがい、禁煙などの生活習慣などが挙げられますが、加えて予防接種を行うことでさらに肺炎のリスクが下がると考えられています。
日常でかかる肺炎の原因菌で最も多いのは、「肺炎球菌」です。
そのため、肺炎球菌ワクチンが効果的と考えられています。

ワクチンの種類

ワクチンには、13価と23価の2種類があり、23価のワクチンの方が、より多くの肺炎球菌に対応しています。
全ての肺炎球菌に有効と言う訳ではありませんが、一般に用いられている23価のワクチンは、日本で存在が確認されている肺炎球菌の約80%に対して効果があると言われており、すべての肺炎球菌による市中肺炎を27.4%、ワクチン血清型の肺炎球菌による市中肺炎を33.5%減少させたと国内より報告されていいます。
また、13価のワクチン接種により、ワクチン血清型の肺炎を38~70%、すべての原因の肺炎を6~11%減少させたとの予防効果が諸外国より報告されています。

  ニューモバックス® プレベナー®
ワクチン株 23価 13価
特徴 広範囲にカバー 高い免疫効果
接種間隔 5年ごとに接種 1回のみ
接種方法 定期接種(対象者に補助あり)
任意接種(自費)
任意接種(自費)

ワクチン接種のスケジュール

定期予防接種の対象者

平成26年10月1日から、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳および100歳の方を対象に、肺炎球菌ワクチンが定期接種となりました。
対象の方には各自治体から通知が届くことになっています。

定期予防接種の費用

定期接種の対象の方には、公費の助成があります。
詳細はお住まいの自治体にご確認ください。

任意予防接種の費用

肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス®) 7,700円
肺炎球菌ワクチン(プレベナー®) 13,200円

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ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症

HPV感染症とは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が感染する部位によって、子宮頸がん、肛門がん、膣がん、咽頭がんなどのがんや尖圭(せんけい)コンジローマなどの原因となるウイルス感染症です。
HPVは100種類以上の型があり、そのうち子宮頸がんの原因となるのは少なくとも15種類あり、日本人では2種類(HPV16型と18型)が子宮頸がんの原因の50~70%を占めています。
その他、HPV6型や11型は、尖圭コンジローマなどの原因となります。

いずれも性交渉を通じた感染経路が主です。
なかでも子宮頸がんは40歳未満の女性で2番目に多いがんです(年間約10,000人が子宮頸がんを発症し、2,700人以上が死亡しています。
子宮頸がん検診を受ける他、性交渉開始前にワクチンでHPV感染を予防することが、子宮頸がんの予防につながります。

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種のスケジュール

3回(15歳未満でシルガード®9接種を開始した場合は2回接種可)

ガーダシル®(9歳以上の男女)

標準:①②は2か月、①③は6か月あける
標準的な接種ができない場合:①②は1ヶ月以上、②③は3ヶ月以上あける
*当院では13歳(中学生)以上の方へ接種可能です

シルガード®9(9歳以上の女性)
1) 1回目の接種を15歳以上で受ける場合

標準:①②は2か月、①③は6か月あける
標準的な接種ができない場合:①②は1ヶ月以上、②③は3ヶ月以上あける

2) 1回目の接種を15歳未満で受ける場合

標準:①②は6か月あける
①②は少なくとも5か月以上あける。5か月未満で②を行った場合は③が必要(その場合②③は3か月以上あける)
(①:1回目、②:2回目、③:3回目)
*当院では13歳(中学生)以上の方へ接種可能です

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種の費用

子宮頸がん予防(HPV)4価ワクチン(ガーダシル®) 16,500円
子宮頸がん予防(HPV)9価ワクチン(シルガード®9) 27,500円

原則として全額自己負担です。
*ただし、以下の定期接種対象者

  • 小学校6年生~高校1年生相当の女性
  • キャッチアップ接種(平成9年度~平成17年度生まれの女性)

は、公的扶助が受けられます。
*当院では13歳(中学生)以上の方へ接種可能です

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種を特に受けておきたい人

HPVに感染する機会となる性交渉を経験する前にHPVワクチンを接種することをお勧めします。
性交渉歴があるひとにもまだ感染していない型のHPVへの予防効果が期待できます。
前述のように、HPVワクチンは若年ほど効果が期待できますので、11~12歳以降早めの時期に接種することが勧められます。
米国では26歳までの全ての成人に接種が推奨されており、27歳~45歳については有益性について相談が必要とされています。

副反応

主な副反応として、発熱や接種した部位の痛みや腫れ、注射による痛み、恐怖、興奮などをきっかけとした失神などが報告されています。
頻度は非常に少ないですが、アナフィラキシー(約96万接種に1回の割合)、ギラン・バレー症候群(約430万接種に1回の割合)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(約430万接種に1回の割合)などの重い症状が報告されています。

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