どうして糖尿病になるの?
こんにちは、看護師の“みの”です。段々と暑さも和らぎ、少しずつ過ごしやすくなってきましたが、新型コロナウイルスに加え、インフルエンザも流行りだし、ツインパンデミックという言葉が騒がれ始めているこの頃です。
なかなか外出が出来ず、運動する機会も減ってしまい、気がつくと体重計の数値が物価の高騰のように大惨事になってしまった私と同じような境遇の方はおられませんか?
新型コロナの影響により子供や若者の2型糖尿病が急激に増加しているという調査結果が米国で発表されました。また、新型コロナ患者42万8000人のデータを使用しコロナウイルス罹患から4週間後に糖尿病の診断が81%、12週間でも27%増加したという研究が英国の機関誌で発表されています(英 キングスカレッジ:PLOS medicine)。
なぜ糖尿病になるの?
今日のお題はズバリ!なぜ糖尿病になるのか、です。
1型糖尿病に関しては当院ホームページを参考にされてください。
今回は2型糖尿病についてのお話をさせてください。2型糖尿病は糖尿病患者さんの9割を占めます。多くの方は中年を過ぎて発症しますが、近年、上記の社会背景により若年者の発症も増加しています。インスリンの分泌が少ないなど糖尿病になりやすい体質に、食べ過ぎや運動不足による肥満、ストレス、加齢などが重なった結果、糖尿病が引き起こされるのです。元々日本人は糖尿病になりやすい体質の人が多いのですが、かつての日本人の食生活は和食が中心で、日常でもよく歩くなど、体をよく動かしていたため糖尿病になる人は多くありませんでした。ところが食生活が欧米化し、高脂肪・高エネルギーの食品を多く摂取するようになり、一方で運動不足の人が増えたため、日本でも糖尿病の人が増えてきました。
糖尿病の発症は自己責任?実は個人差が大きい
ここまで読むと糖尿病の発症は自己責任だと思われる方もいるかもしれません。好き放題食べ、運動不足もたたって、体重が増えてしまったから発症したと思っていませんか??患者さんの中には100%自分の生活習慣が悪かったと考えてしまう方もおられます。体形を維持していて食事・運動も適正にしていたにも関わらず、糖尿病の家族歴があり、発症する方もいます。また、暴飲暴食をしたり、肥満があっても正常に血糖値が推移する方もいます。不公平に感じますが発症には個人差が大きいんです。
糖尿病とスティグマ
スティグマとは「負の烙印」という意味があります。このスティグマが、糖尿病診療において注目されています。「好き放題食べていたから、あの人は糖尿病になった」など、前述したマイナスのイメージが先行し、患者さんの不利益につながるケースは少なくありません。心理学では、人間の精神機能には必ず良い面と悪い面、役に立つ面と困る面、表と裏の面とがあると言われています。マイナスのイメージにとらわれ過ぎず、自身の性格や行動など良い点に着目し、認めてあげること(自己効力感)で、治療に前向きに取り組むことができるかもしれません。
当院では、前向きに治療に向き合えるよう患者さんのどんな面もサーチライトのように照らし強みとしてサポートさせて頂きたいと思います。糖尿病のない人と変わらない寿命とQOLを合言葉に!