糖尿病ってどんな病気?【基礎知識編】
みなさん、こんにちは。看護師の“やまと”です。ようやく朝・夕と過ごしやすくなり、日が暮れるのも早くなってきました。とは言え、日中はまだまだ暑さの名残を感じます。また、9月に入りインフルエンザウイルスの勢いが大きくなってきています。夏の疲れも出る頃です。引き続き体調には十分お気をつけください。
さて、今回から糖尿病についてお話をさせて頂こうと思います。
初回は糖尿病の基礎知識編です。
糖尿病って無症状?
糖尿病はテレビや新聞などでもよく取り上げられるため、知っている方が多い病気の一つかもしれません。
糖尿病は「インスリンの作用が十分でないためブドウ糖が有効に使われずに血糖値が普段より高くなっている状態」と定義されています。ですが、このままだと一体何が問題なのかイメージがつきにくくはないでしょうか?
主な症状は、口渇、多飲、多尿、体重減少、疲れやすいなどがありますが、これらの症状は血糖値がかなり高い状態が続かなければ現れてきません。多くの糖尿病患者さんは健診や、他の病気での受診時に発見されることが多いのです。つまり、ほとんどの糖尿病患者さんは基本的に無症状なのです。
糖尿病は血管をボロボロにしていく病気
なぜ無症状なのに糖尿病を治療しなければならないのでしょうか?
高血糖そのものより、高血糖が引き起こす合併症が怖いからです。糖尿病の3大合併症を耳にしたことはありますか?神経障害、網膜症、腎症です。これらは細い血管が傷ついて発症するところから細小血管症と呼ばれます。また、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、末梢動脈疾患といった大きな血管が傷ついて発症するものを大血管症と呼びます。高血糖は血管内皮障害を引き起こすことがわかっており、これらの合併症は糖尿病により血管がボロボロになったことが強く影響しています。
糖尿病は多くの病気の発症・悪化に関与
糖尿病は血管をボロボロにするだけでなく、多くの病気の発症や悪化に関与します。最近では新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを高めることも報告されています。大腸がん、肝臓がん、膵臓がんを中心にがんのリスクが高くなることも報告されています。さらに、認知症や骨折、歯周炎や皮膚科疾患まで多くの病気のリスクとなり得ます。
*引用参考文献 ナースのための糖尿病・生活習慣病まるごとアップデート
次回も糖尿病についてお知らせ予定です。楽しみにお待ちください。