増えています!感染性胃腸炎!
みなさんこんにちは。今年初めてのブログとなります、看護師のやまとです。本年もどうぞよろしくお願いします。
元旦に能登半島を中心とした大きな災害が発生し、翌日にも痛ましい航空機衝突事故がありました。犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。
テレビニュースやインターネットなどから、速やかに支援の輪が広がっていることを目の当たりにし、私たちスタッフも普段からみなさまとのふれあいを大切に、何かお手伝いすること・できることはないかを常に模索しようと思いを新たにいたしました。開院して半年が経過しましたが、まだまだ至らないことがあると思います。お気づきの点がございましたら、いつでもお声がけ下さい。
年末以降、発熱・かぜ症状外来へ訪れる方の中に吐き気や嘔吐・下痢で受診される方が増えてきました。いわゆる嘔吐下痢症です。
具体的に「生の鶏肉を食べた」、「賞味期限が切れたものを口にした」など心当たりについてお話しされる方もおられますが、大抵は思い当たるエピソードはないようです。そこで今回は感染性胃腸炎についてお話ししたいと思います。
何が原因で感染する?
この時期一番に思い浮かぶのは生ガキを食べることによる感染ですよね。ですが、その割合は案外低く2割程度に留まるそうです。最も多いと考えられている原因は、調理従事者からの感染と言われています。感染した人が調理することで、食品がウイルスに汚染され、それを食べることで感染するという経路です。もう一つは、感染者のふん便や嘔吐物を処理する際に触れたり、感染者がトイレを使った際に触ったドアノブや照明スイッチに触れたりして感染するといった経路があります。
手洗いを今一度見直しましょう
新型コロナウイルスの流行により、医療従事者以外の方にも手洗いやアルコール消毒が定着してきました。新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスは、ウイルスの表面が脂溶性の膜で覆われています。このため、石ケンやハンドソープなどの界面活性剤で膜を壊せばウイルスを無毒化することができます。ですが、感染性胃腸炎による原因ウイルスの多くは脂溶性の膜がなくアルコール消毒や石ケンでは無毒化することができません。推奨されているのが「2回洗い」です。石ケンでよく洗い流したら、再度水での洗浄を行います。指先や爪の間までしっかり洗いましょう。石ケンはウイルスを無毒化できませんが、手の汚れを落とすときにウイルスも一緒に洗い流してくれます。
アルコールより次亜塩素酸ナトリウムが有効!
調理器具やまな板、ドアノブなどに付着したウイルスは前述通りアルコール消毒の効果は期待できません。代わりに効果を発揮するのが次亜塩素酸ナトリウム、塩素系の消毒液です。いわゆるハイター、漂白剤です。ただし、金属が腐食する、お気に入りの洋服の色が抜けてしまったなどの弊害があるので取扱いに注意が必要です。最近では取扱いが容易で無害なタイプもドラッグストアで手に入ります。そういったものを活用されるのも良いかもしれません。
次回からは糖尿病 食事療法に戻ります。「年末年始で食べ過ぎちゃって」と苦笑されながら受診される方がおられますが、私も久しぶりに履いたユニフォームが窮屈に感じられ少々焦りを感じています。
コロナウイルスに加え、インフルエンザB型が流行しつつあります。時節柄、どうぞご自愛なさってください。