食べ方と量を守れば鍋もヘルシー
みなさんこんにちは!今月に入り寒暖差が激しく体調を崩されている方も多いようです。お変わりありませんか。
この時期になると、スーパーでは鍋のコーナーが設置され、ご家庭で鍋料理の登場回数が増えてきているのではないでしょうか。かくゆう私も、、、我が家の土鍋さんには週4回出動してもらっている看護師‘みの’です。
鍋料理は、野菜もたっぷりとれてヘルシーな料理と感じておられませんか?実は、注意しないと意図せずカロリーを摂りすぎてしまうことがあります。
「鍋はヘルシーだから大丈夫」といってたくさん食べるのも、もしかしたら考え物かもしれません。今回はそんな鍋料理についてお話しします。
鍋で血糖値を上げない食べ方は?
長崎女子短期大学の古賀克彦教授の研究によると、最初に野菜やお肉などのたんぱく源を先に食べ、最後にシメとしてご飯や麺類などの炭水化物を食べる鍋の食べ方は、血糖値を上げにくい食べ方とされています。また、きのこ類にも同様に、あとから食べる物の糖質の吸収を緩やかにしてくれる食物繊維が含まれています。
鍋はヘルシーだからたくさん食べても大丈夫?
鍋は冷えたからだを温めてくれ、入る具材も野菜やキノコ、豆腐などで、油を使わないので、カロリーは低く、いわゆる「ヘルシー」な料理です。
しかし、どのような食べ物でも食べ過ぎはよくありません。鍋もいくらでも食べても良いわけではなく、以下を目安に食べるのが良いでしょう。
1.食べる量は、取り分け皿で最大3杯程度まで
いくら低カロリーでも、鍋には塩分が多く含まれます。
市販の鍋の素は美味しいですが、実は塩分が多く入っていることを知っておきましょう。
3~4人前(750g)パウチの鍋の素にはおおよそ18g(大さじ1)の塩分が入り、多いもので20gを越えます。1人用鍋の素は1人前おおよそ4g(小さじ2/3)の塩が入ります。
これは麺のスープと同等の塩分(濃度)となります。さらにそのスープで煮込まれているため、中までしっかり塩分が染み込み、思っている以上に塩分をとっている可能性があります。
塩分の摂り過ぎは血圧上昇やむくみの原因になりますので注意しましょう。鍋の素の量を少なく使うと、塩分量を減らすことができます。水炊きは塩分が少なめのためおすすめです。
濃い味のだしを使ったスープやクリーミーなスープ、すき焼きのような砂糖をたくさん使ったもの、脂の多いとんこつなどコクのあるスープはカロリーが高くなりがちです。タレならゴマダレは気をつけたいところです。
カレー鍋やスンドゥブなどは味が濃いのでついつい食べてしまいがち。食べ過ぎに注意です。
一方で、カレーの香辛料や唐辛子はダイエット効果が期待できる食材ともいえます。野菜中心で低脂肪の具材を選び〆の米や麺をなしにするなら「痩せる鍋」になります。
2.野菜のみではなくたんぱく質が多く含まれる具材も入れましょう
鍋では野菜が摂りやすく、1食の適正量(120g)くらいは食べられることがほとんどでしょう。しかし、野菜のみではなく、たんぱく質が多く含まれる具材を入れ、栄養素の偏りをなくすことが大切です。
肉や魚などの動物性たんぱく質と、豆腐や油揚げなどの植物性たんぱく質を、2種入れると良いです。肉はムネ肉やモモ肉など脂身の少ない部位を選択し、バラ肉など脂身の多い部位を控えましょう。カロリーオーバーにならないよう、たんぱく質の多い具材はトータル2~3種類程度入れることがオススメです。
因みに当クリニックお勧め食材は「舞茸」です。舞茸に含まれる「マイタケαグルカン」と呼ばれる成分は、インスリン抵抗性やインスリン分泌機能を改善し、血糖値上昇を抑える効果があると考えられています。是非鍋のお供に加えてあげて下さい。
3.早食いに注意
柔らかく煮込まれたことで食べやすく、鍋1品のみとなることも多いことから、早食いにつながりやすいです。
ゆっくり30分程度かけて食べましょう。加えて、可能な限り野菜から食べるという方法も忘れずに行うと良いです。
4.シメはほどほどに
最後にシメを入れると汁気を吸って塩分を多くとってしまいます。主食の適正量が決められている方は量を守って食べましょう。
また、麺はごはんに比べて食べ応えのわりにカロリーも高めです。
ラーメン1玉約340 kcal ⇒ ごはん220gに相当
うどん1玉約240kcal ⇒ ごはん150gに相当
糖質の量(1食分あたりの)で比べると
ごはん(1膳) |
うどん(1玉) |
中華麺(1玉) |
55.7g |
51.8g |
58.4g |
糖質量で見るとそれほど差はありません。どれも糖質が多く太りやすいイメージです。
それならば‼つゆでかさましできる少なめご飯はいかがですか。
ご飯を摂取する量が少なくなることで、お腹いっぱい食べても結果的に糖質を抑えることができます。
ただし、複数人で1つの鍋を囲んだ場合、量も把握しにくいため食べ過ぎに注意しましょう。
スープや具材の組み合わせ次第で、ヘルシーにも太りやすくもなってしまう鍋。
上手に選んでおいしくヘルシーな冬のごちそうを楽しみましょう。