2023/11/9(木) 23:15-23:30 ラジオNIKKEI第1「薬学の時間」に出演します
2023/11/9(木) 23:15-23:30にラジオNIKKEI第1の「薬学の時間」に出演予定です。
「腎不全患者の緩和ケア 〜意思決定と保存的腎臓療法を中心に〜」と題し、主に医療者を対象として腎不全と緩和ケアに関するお話をいたします。
ラジオNIKKEIの「薬学の時間」とは
1954年8月のラジオNIKKEI開局時(日本短波放送時代)から放送されている長寿番組で、薬剤師向けの内容で放送されています。
腎不全に緩和ケア?
緩和ケアはしばしばエンドオブライフケアと混同されますが、WHOでは「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的、心理的、社会的、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確な評価と処置を行うことによって、苦痛の予防と緩和を行うことで生活の質(QOL)を改善するアプローチ」と定義されています。
本邦における緩和ケアは、これまでがん患者さんを主な対象として整備されてきました。
ただ、生命を脅かす疾患は、がんだけではなく、心不全、肝不全、慢性閉塞性肺疾患、そして腎不全などのいわゆる非がん疾患も該当します。
こういった非がん疾患を患う方の中には、がん患者さんと同じように、呼吸困難感や痛みなどの身体的苦痛や、病いによる精神心理的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛などいわゆる全人的苦痛を抱いておられる方も少なくありません。
一方で、これまで非がん疾患への緩和ケアは比較的未整備でしたが、最近は非がん疾患への緩和ケアが注目されてきており、整備が進んでいます。
腎不全の緩和ケアは、全人的苦痛への対処といった他疾患における緩和ケアで中心となる要素のほかに、腎移植や透析などの腎代替療法に関する意思決定も必要となり、やや複雑であり、本邦においてはまだまだ黎明期と言える状況です。
腎不全患者さんの診療にこれまで携わり、病院での緩和ケアチームの立ち上げ・運営に関わった経験から、腎不全患者さんの緩和ケアについてお話させていただきます。
Podcastsなどでも聴き逃し配信されるようですので、ご興味のある方はご聴講ください。